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交通事故が起きたとき、「人身事故」と「物損事故」に区分されることがあります。
これは単なる事故の種類の違いではなく、保険の補償内容・警察での扱い・加害者の責任の重さ・後々の賠償金請求に大きく関わる重要な分類です。
保険を比較・検討する際にも、「人身事故への補償」と「物損事故への補償」の両面から保険内容をチェックしておくことが、安心に直結します。
1. 定義の違い
種類 | 内容 | 例 |
---|---|---|
人身事故 | 事故によって人がケガをしたり、死亡した場合 | 歩行者にケガをさせた/相手車両の運転者がむち打ちになった/同乗者が骨折したなど |
物損事故 | 人がケガをしていない事故で、物に対して損害が出た場合 | 車同士の接触で物だけが壊れた/壁やフェンスに衝突/ガードレールを破損 など |
2. 警察での取り扱いの違い
● 人身事故
- 実況見分調書が作成される(刑事手続きの対象)
- 医師の診断書が必要(警察に提出)
- 過失の度合いによっては加害者に刑事罰(罰金・免許停止など)が科される
● 物損事故
- 基本的に民事事件扱い(刑事罰なし)
- 警察に届け出は必要だが、簡易な報告書のみ
- ケガ人がいない前提のため、加害者の法的責任が比較的軽い
3. 保険での補償の違い
● 人身事故に関する補償
補償名称 | 補償内容 | 備考 |
---|---|---|
対人賠償保険 | 他人(歩行者や相手車の運転者)に対する治療費・慰謝料・逸失利益など | ほとんどの契約で「無制限」推奨 |
人身傷害補償保険 | 自分や同乗者が負傷した場合の治療費・休業損害など | 加害・被害にかかわらず使える |
搭乗者傷害保険 | 自車に乗っていた人が負傷・死亡した場合の定額補償 | 定額で支払われ、手続きが早い |
自損事故保険 | 相手のいない単独事故で自分がケガをした場合の補償 | 単独事故・自爆事故に対応(低額) |
● 物損事故に関する補償
補償名称 | 補償内容 | 備考 |
---|---|---|
対物賠償保険 | 相手の車・電柱・建物などを壊した場合の修理・損害補償 | こちらも「無制限」推奨 |
車両保険 | 自分の車が破損・盗難・火災などで損害を受けた場合の補償 | 自分の車の修理代などを補償(任意) |
物損に対する慰謝料 | 原則として認められない | 心情的損害は対象外が基本 |
4. 手続き・書類の違い
手続き項目 | 人身事故 | 物損事故 |
---|---|---|
警察への届出 | 必須(詳細な調査・実況見分あり) | 必須だが比較的簡易 |
医師の診断書 | 必要(警察提出) | 不要 |
加害者の処罰 | 罰金・点数・行政処分の可能性あり | 原則なし |
裁判リスク | 民事+刑事の可能性あり | 民事のみ(損害賠償請求) |
5. 家族向け・保険選びの注意点
■ 人身事故の補償は「広く・深く」が基本
- 小さな子どもや高齢者を乗せることが多い場合、人身傷害は最低でも3,000万円~5,000万円を推奨
- 万が一の死亡・後遺障害にも備えるため、搭乗者傷害との併用も有効
■ 物損事故では「自分の車を守る保険」が重要
- 新車や高額車であれば一般型の車両保険
- 古い車や自己負担を容認できる場合は限定型(エコノミー)でも可
■ 物損事故でも、子どもが起こした場合には個人賠償責任特約が有効
- 自転車事故で他人の車を壊した、友達の物を壊したなどのケースで補償される
【よくある誤解と注意点】
● 「軽い事故だから物損で済ませておこう」は危険
- ケガが後から判明するケースも多く、初期に「物損事故」と届け出ると人身扱いに切り替えが難しい
- 事故当初に違和感や痛みがある場合は、医師の診断書をとって人身扱いで届け出を
● 保険金の支払いスピードが異なる
- 物損事故は修理費等が明確なため、比較的早期に支払われる
- 人身事故は治療終了や後遺障害等級が決まるまで長期間かかることも
定義の違い
交通事故が起きた際、まず警察は「人身事故か、物損事故か」を判断し、それに基づいて処理を進めます。
この分類は、単なる言葉の違いではなく、警察の取り扱い方、保険の使い方、加害者側の責任、将来的な賠償請求の土台に大きく影響します。
そのため、事故を起こした当人や保険契約者が正しく理解しておくべき基本的な知識です。
【1】人身事故の定義
■ 法的定義(道路交通法)
「交通事故によって人が死傷したもの」(道路交通法施行令第2条)
つまり、事故の結果として人にケガや死亡が生じた場合は、すべて人身事故扱いとなります。
■ 対象となる“人の被害”
- 歩行者への接触や衝突
- 相手車両の運転者や同乗者のケガ
- 自分の車に同乗していた家族のケガ
- 自損事故(単独事故)で運転者自身が負傷した場合も含まれる
- 外傷がなくても、むち打ちや打撲など診断書が出れば人身扱い可能
- 救急搬送の有無は問わない(自己申告+診断書で足りる)
【2】物損事故の定義
■ 法的定義(明文化はされていないが、実務運用上)
「交通事故によって人の死傷がなく、物のみが損壊した事故」
つまり、事故の結果が建物・車両・工作物・商品など“物”に限られる場合は、物損事故に分類されます。
■ 対象となる“物の損害”
- 車両(バンパー破損・ドア凹みなど)
- 建物(塀、壁、店舗のガラスなど)
- 道路施設(信号機・ガードレール・街灯など)
- 他人の私物(自転車、ベビーカー、カバンなど)
- ケガ人が一人もいなければ物損扱いにできる
- 相手が怒っていても、「物だけが壊れた」なら物損事故として処理可能
【3】分類の決定はどうされるか?
■ 基本は「警察への届出内容」と「医師の診断書」で決まる
区分 | 決め手 | 必要な手続き |
---|---|---|
人身事故 | 医師の診断書(ケガの証明)を警察に提出 | 実況見分調書の作成、刑事手続きの可能性あり |
物損事故 | ケガ人なしと申告(診断書不要) | 簡易な報告書のみで処理、加害者の刑事責任なし |
【注意すべきこと】
- 事故直後に「物損でいいです」と言っても、後日ケガが発覚すれば人身事故に切り替え可能
ただし、警察への届出と医師の診断書提出が必要になります
【4】人身事故と物損事故の判断基準(例)
状況 | 人身事故 or 物損事故 |
---|---|
車と車がぶつかり、車だけがへこんだ | 物損事故 |
車と歩行者が接触し、打撲で診断書が出た | 人身事故 |
車でガードレールに衝突、運転者にケガあり | 人身事故(自損) |
バックで壁に当て、壁と車が傷ついた | 物損事故 |
相手車両の同乗者がむち打ちを訴えた | 人身事故(診断書次第) |
警察での取り扱いの違い
交通事故が発生した際、警察に通報するのは義務ですが、その後の取り扱いは「人身事故」と「物損事故」で大きく異なります。
特に加害者にとっては、処罰の有無や前科の記録に関わる重大な差があり、被害者にとっても補償交渉や事故証明の資料内容に影響を及ぼします。
ここでは、警察が事故をどのように処理するのかを、事故区分ごとに詳しく比較していきます。
【1】警察への通報義務は両方に共通
■ 基本原則(道路交通法第72条)
「交通事故が発生した場合、運転者等は速やかに警察に通報しなければならない」
- 人身・物損どちらであっても警察への通報は義務
- 通報しなかった場合、「報告義務違反」として3か月以下の懲役または5万円以下の罰金
【2】人身事故の場合の警察対応
■ 医師の診断書が必要
- 人の死傷がある場合は「人身事故」として処理される
- 警察が人身扱いにするには、医療機関の診断書の提出が必要
■ 実況見分を実施
- 警察官が現場に立ち会い、「実況見分調書」を作成
- 事故現場の状態(ブレーキ痕・車両の位置・目撃証言など)を詳細に記録
- この調書は後に、加害者の刑事処分・行政処分・民事賠償にも用いられる
■ 刑事・行政処分の対象に
- 加害者には交通違反点数の加算や、刑事処分(罰金刑など)の可能性
- 被害者のケガの程度によって、処分内容が変動
軽傷→反則金、重傷→略式起訴、死亡事故→送致)
▼ 事故内容と処分例
内容 | 加害者の処分 |
---|---|
軽傷事故(むち打ちなど) | 反則金+違反点数(2〜4点程度) |
重傷事故(入院・骨折など) | 書類送検+刑事罰の可能性 |
死亡事故 | 実刑判決を含む重大な責任 |
【3】物損事故の場合の警察対応
■ 診断書は不要
- 人にケガがなければ、診断書不要・物損事故として処理される
■ 簡易な現場確認のみ
- 警察官が現場に来ても、実況見分調書は作成されない
- 基本的には「物損事故報告書」のみが作成される
- 法的な証拠能力としては弱く、裁判等での活用は難しい
■ 刑事・行政処分は原則なし
- 物だけが壊れた事故では、加害者に交通違反点数や罰則が科されることは基本的にない
- ただし、違法駐車・信号無視・飲酒運転などの明確な交通違反がある場合は別途処分される
【4】事故証明書の取り扱いの違い
■ 人身事故の証明書
- 「人身事故証明書」として、保険会社に提出
- 実況見分調書と診断書に基づく明確な公的資料となり、賠償交渉・後遺障害認定の根拠資料として強い効力を持つ
■ 物損事故の証明書
- 「物損事故証明書」として発行されるが、損傷状況が簡易に記載されるのみ
- 保険金請求の基礎資料にはなるが、人身事故に比べて証拠力は弱い
【5】家族で車に乗っていた場合の影響
- 同乗者(配偶者・子ども)が事故で負傷していたのに「物損で処理」すると、補償が十分に受けられなくなるリスクがある
- 特にむち打ちなどは、事故直後には症状が出にくいため、「違和感がある」と感じたら必ず医師に行って診断書を取り、人身事故扱いに切り替える
保険での補償の違い
交通事故が起きたとき、自動車保険で補償される内容は「人がケガや死亡をした事故(人身事故)」と「モノに対して損害が出た事故(物損事故)」でまったく異なります。
それぞれの事故でどの保険が使えるのか、どこまで補償されるのかを理解しておくことは、自動車保険の比較・選び方でも重要なポイントです。
【1】人身事故で使われる主な補償
人身事故では、他人や自分・同乗者のケガや死亡に関する補償が中心となります。
■ 対人賠償保険(他人への補償)
- 歩行者や他人の車の運転者・同乗者など
- 治療費
- 入通院の慰謝料
- 休業損害
- 後遺障害慰謝料
- 死亡慰謝料、逸失利益
- 特徴:
- 相手にケガを負わせた場合の賠償責任をカバー
- 「無制限」設定が基本(重大事故で億単位の支払いもあるため)
■ 人身傷害補償保険(自分・家族・同乗者への補償)
- 契約者自身、家族、契約車の同乗者
- 実際にかかった治療費
- 休業損害
- 精神的苦痛への慰謝料
- 後遺障害・死亡時の逸失利益など
- 特徴:
- 過失割合に関係なく全額補償
- 自損事故・もらい事故でも適用される
- 「3,000万円~1億円」程度の補償額設定が一般的
■ 搭乗者傷害保険(同乗者への定額補償)
- 事故時に車に乗っていた人(契約者を含む)
- 入院1日◯円、通院1日◯円などの定額支給
- 死亡時や後遺障害には一時金支給
- 特徴:
- 人身傷害と併用可能
- 軽いケガでも支払われやすく、支払いが早い
■ 自損事故保険(単独事故での自分のケガに対応)
- 対象:自損事故で負傷した本人
- 補償内容:死亡・後遺障害に対して定額支給(人身傷害の方が上位互換)
【2】物損事故で使われる主な補償
物損事故では、「モノに対する修理・損害の補償」がメインです。
■ 対物賠償保険(相手の物への補償)
- 他人の車、塀、建物、信号機、ガードレール、商品など
- 修理費
- レンタカー代
- 営業損失など(店舗を壊した場合など)
- 特徴:
- 高級車や商用車に損害を与えた場合、賠償額が高額になることも
- 「無制限」での契約が必須
■ 車両保険(自分の車への補償)
- 契約車両の損害(自損事故、衝突、自然災害、盗難など)
- 修理費用(時価額を上限)
- 盗難・火災・水没などによる損害
- 補償タイプ:
- 一般型:あらゆる事故に対応(当て逃げ・自損含む)
- エコノミー型(限定型):当て逃げや単独事故は対象外だが保険料が安い
■ 損害に対する慰謝料(物損事故では原則なし)
- 物が壊れただけでは、精神的苦痛への慰謝料は支払われない
自分の車が壊れても、「悲しかったから慰謝料をくれ」は認められない
- 一方、人身事故では精神的損害への慰謝料が加算される
【3】補償の違いを比較表で整理
項目 | 人身事故 | 物損事故 |
---|---|---|
補償の対象 | 人のケガ・死亡 | モノの破損・損失 |
主な保険 | 対人賠償、人身傷害、搭乗者傷害 | 対物賠償、車両保険 |
慰謝料 | 精神的損害に対し支払われる | 原則なし(物の損害のみ) |
賠償金額 | 数十万〜億単位になることも | 数万円〜数百万円程度が多い |
保険金支払いまでの期間 | 治療終了・損害確定後(長期化することも) | 修理見積後すぐ支払われることが多い |
【保険選び・比較のポイント】
■ 人身事故に備えるには…
- 人身傷害補償は必須
- 同乗者のために搭乗者傷害の併用も効果的
- ゴールド免許割引や年齢条件で保険料を抑えつつ、補償額は厚く
■ 物損事故に備えるには…
- 対物賠償は無制限が基本
- 自分の車を守るなら車両保険を付帯(特に新車・ローン中)
- 保険料が気になる場合は限定型(エコノミー)で調整
手続き・書類の違い
交通事故が起きた際、同じ「事故」でも人がケガをしたかどうかによって、警察への届出方法や保険金の請求手続きに使う書類の内容と重みが大きく異なります。
とくに人身事故は、医師の診断書や実況見分調書などの正式な書類が必要になるため、事故直後の対応が後々の賠償や保険金支払いにも影響を及ぼします。
ここでは、人身事故と物損事故それぞれにおける必要書類・手続きの流れ・証拠力の違いを整理して解説します。
【1】事故直後の警察対応・届出の違い
項目 | 人身事故 | 物損事故 |
---|---|---|
警察への通報 | 必須(※義務) | 必須(※義務) |
取り扱い区分 | 「人が死傷した」と申告・診断書提出 | 「物だけが壊れた」と申告 |
医師の診断書 | 必須(提出しないと人身扱いにならない) | 不要 |
実況見分調書 | 作成される(警察官が現場で詳細確認) | 原則なし(軽微な確認のみ) |
事故証明書 | 「人身事故」として発行される | 「物損事故」として発行される |
【2】事故証明書の違い
■ 人身事故証明書(人身事故扱い)
- 事故の内容に加えて「負傷者の有無」「ケガの程度」などが明記
- 人身傷害保険・対人賠償保険の請求時に必須
- 裁判や示談交渉においても重要な証拠書類になる
■ 物損事故証明書(物損事故扱い)
- 事故の概要と物的損害の有無のみが記載される
- 修理費請求・対物賠償・車両保険の支払いに使用されるが、人身補償には使えない
【3】診断書の扱い
■ 人身事故では「医師の診断書」が手続きの起点
- 事故当日〜数日以内に病院で診察を受け、診断書を取得することが重要
- 診断書を警察に提出することで、「人身事故への切り替え」が正式に認められる
- この診断書がないと、補償対象外になったり、加害者の責任が軽く扱われることもある
■ 物損事故では診断書を提出しない
- ケガがないため、医療機関への受診も診断書も不要
- そのため、事故の重大性が軽く見られやすく、賠償交渉時に証拠力が弱い
【4】実況見分調書の有無
■ 人身事故では実況見分調書を作成
- 警察官が事故現場に立ち会い、ブレーキ痕や車両の位置、見通しの状況などを詳細に記録
- 作成された調書は:
- 刑事処分の根拠資料
- 民事賠償の証拠資料
- 後遺障害認定の参考資料
として使われる
- 保険会社や弁護士が内容を精査するため、非常に重要
■ 物損事故では原則作成されない
- 簡易的な現場確認で終わる(事故報告書のみ)
- 調書が存在しないため、損害の根拠が弱くなりがち
【5】保険金請求時の提出書類の違い
書類 | 人身事故で必要 | 物損事故で必要 |
---|---|---|
事故証明書 | 必須(人身扱いで発行) | 必須(物損扱いで発行) |
診断書・診療明細書 | 必須(人身傷害・対人賠償請求時) | 不要 |
実況見分調書(写し) | 任意で入手、損害認定や過失割合の判断資料に | 原則なし |
修理見積書 | 同乗者がケガした場合は併用あり | 必須(車や物の修理費請求に必要) |
写真(事故状況) | あれば有利(人身・物損ともに) | 同上 |
【6】証拠能力の違いと後の影響
比較項目 | 人身事故 | 物損事故 |
---|---|---|
書類の公的証明力 | 高い(診断書+実況見分) | 弱い(報告書のみ) |
裁判や示談での交渉力 | 強い | 比較的弱い |
後遺障害認定や慰謝料算定への影響 | あり | 対象外(慰謝料請求不可) |
【注意点|人身事故に切り替えるなら“早めに診断書を”】
- 事故当初は「物損事故」として処理しても、あとから痛みが出ることはよくある
- 病院での診断書を取ってから1週間以内であれば人身事故への切り替えがスムーズ
- 時間が経つと「事故との因果関係が不明」とされ、保険金が支払われない可能性も