自動車保険に付帯するロードサービスの中でも、「宿泊・帰宅サポート」は、事故や故障で車が自力走行できなくなった場合に役立つ補償の一つです。
遠方でのトラブル時に、帰宅や宿泊にかかる費用をサポートしてくれるため、長距離ドライブや旅行中にも安心して運転できます。ここでは、その仕組みや具体的な内容を詳しく解説します。
宿泊・帰宅サポートの概要
自動車保険のロードサービスに含まれる「宿泊・帰宅サポート」は、事故や故障によって車が自力走行できなくなった際、ドライバーや同乗者の宿泊費・帰宅費を補償するサービスです。
長距離ドライブ中や旅行先で車が動かなくなった場合、現地で宿泊を余儀なくされたり、車を置いて帰宅しなければならないことがあります。
そのような際に発生する費用を負担してくれるのがこのサポートです。保険会社によってサービス名称は異なるものの、基本的な目的と内容は共通しています。
サポートの対象となる状況
宿泊・帰宅サポートが適用されるのは、主に次のような場合です。
- 事故または故障により車が**自走不能(自力で走行できない状態)**になったとき
- その日のうちに修理や帰宅ができないとき
- 保険会社が手配するレッカーサービスで修理工場などに車を搬送した場合
「自走不能」とは、エンジンの損傷、タイヤ破損、電気系統のトラブルなどで安全に走行できない状態を指します。軽微なトラブル(ガス欠、軽いバッテリー上がりなど)は対象外になることが多い点に注意が必要です。
補償の範囲
宿泊・帰宅サポートでは、次のような費用を補償してくれます。
宿泊費用
- 車の修理が翌日以降になる場合、宿泊に必要な費用を補償
- 対象:運転者および同乗者全員
- 補償金額の目安:1名につき1泊あたり10,000〜15,000円程度
- 補償回数:1回の事故・故障につき1泊分(保険会社によっては複数泊も可)
- 宿泊場所は保険会社が手配してくれる場合と、自分で手配後に領収書を提出して精算する場合があります
帰宅費用
- 車を現地に残して帰宅する場合、公共交通機関の運賃を補償
- 対象:運転者および同乗者全員
- 補償金額の目安:1名あたり上限20,000〜50,000円程度
- 対象交通機関:電車、バス、飛行機、タクシーなど(高速バスや新幹線も含む)
利用できる人
宿泊・帰宅サポートの対象となるのは、原則として次の通りです。
- 保険契約車両の運転者(記名被保険者)
- 同乗者(家族・友人など、人数制限あり)
- 保険契約の対象車両に同乗していた人が対象で、他の車で移動していた場合は対象外
【手続きの流れ】
実際にサービスを利用する際の流れは、保険会社ごとに多少異なりますが、一般的には以下の通りです。
- トラブル発生時に保険会社のロードサービス窓口へ連絡
→ 事故・故障の状況を伝える - レッカーや修理工場の手配を実施
→ その日の修理が困難な場合、宿泊・帰宅サポートの案内を受ける - 宿泊先や交通手段の手配
→ 保険会社が手配してくれる場合と、自分で手配して後日精算する場合がある - 必要書類の提出(領収書など)
→ 補償金が支払われる
【サポートを受ける際の注意点】
宿泊・帰宅サポートを利用する前に、次の点を確認しておくことが重要です。
- 事前に保険会社へ連絡しないと補償対象外になることがある
- 宿泊先や交通手段を自己判断で手配した場合、費用が全額補償されない場合がある
- 一部地域(離島・山間部など)では手配が難しい場合がある
- サポート内容や上限金額は保険会社や契約プランによって異なる
宿泊費サポート
自動車保険のロードサービスに含まれる「宿泊費サポート」は、事故や故障によって車がその日のうちに修理できず、現地で宿泊せざるを得ない場合に宿泊費を補償する制度です。
特に長距離運転中や旅行先でトラブルに遭った際に非常に役立ちます。ここでは、宿泊費サポートの内容・条件・注意点を詳しく解説します。
宿泊費サポートの目的
事故や故障が発生し、
- 車が「自走不能」となった場合
- 当日中に修理が完了しない場合
- 保険会社が指定する修理工場まで車をレッカー搬送した場合
このような状況では、ドライバーや同乗者は帰宅が難しくなります。その際に、宿泊に必要な費用を保険会社が負担または補償するのが宿泊費サポートの目的です。
補償の対象者
- 保険契約車両を運転していた人(記名被保険者)
- 同乗者(家族・友人など、人数制限は保険会社による)
同乗者も補償対象となるため、家族旅行や友人とのドライブでも安心して利用できます。
補償の条件
宿泊費サポートが利用できるのは、次の条件を満たした場合が多いです。
- 車が自走不能であること(安全に走行できない状態)
- 事故・故障当日に修理完了が見込めないこと
- 宿泊を伴う距離(おおむね自宅から100km以上など)の場合
- 保険会社のロードサービス窓口に事前連絡をしていること
ガス欠やパンクなどの軽微なトラブルは対象外となる場合が多いです。
補償金額の目安
宿泊費の補償額は保険会社ごとに異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
- 1名あたり1泊につき上限 10,000円〜15,000円程度
- 同乗者も人数分の宿泊費を補償
- 補償回数は「1回の事故・故障につき1泊分」が多い
一部の保険会社では、2泊分まで補償したり、実費精算で上限なしに近い形を取っているケースもあります。
宿泊先の手配方法
宿泊先の手配方法は、保険会社の対応によって2つのタイプに分かれます。
- 保険会社が宿泊先を手配するタイプ
- 保険会社が提携ホテルや近隣宿泊施設を紹介・予約してくれる
- 利用者が支払う必要はなく、直接保険会社が費用を精算
- 利用者が自分で宿泊先を手配するタイプ
- 自分でホテルを選び、宿泊後に領収書を提出
- 後日、上限額の範囲で保険会社から精算・返金
旅行先でのトラブル時など、慣れない土地での宿泊先確保をサポートしてくれる点が大きな安心材料です。
【補償の対象外となるケース】
以下の場合は宿泊費サポートの対象外となることがあります。
- 自己判断で宿泊し、保険会社への事前連絡をしなかった場合
- ガス欠、バッテリー上がり、キー閉じ込みなど軽微なトラブル
- 事故や故障が自宅近くで発生し、帰宅可能な距離と判断された場合
- 宿泊費が上限金額を超過した場合(差額は自己負担)
- 宿泊施設以外の費用(食事代・タクシー代など)は補償対象外
保険会社別の例(参考)
| 保険会社 | 補償上限額 | 宿泊手配方法 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 東京海上日動 | 1名1泊15,000円まで | 保険会社が手配または自己手配可 | 宿泊・交通両方に対応 |
| 三井住友海上 | 1名1泊15,000円まで | 宿泊先手配代行あり | 全国主要ホテルと提携 |
| ソニー損保 | 1名1泊15,000円まで | 自己手配・後日精算 | 利用者の自由度が高い |
| チューリッヒ | 1名1泊10,000円まで | 自己手配・実費精算 | シンプルな補償体系 |
例1:家族旅行中のエンジントラブル
旅行先でエンジンが故障し、修理に数日かかると判明。
保険会社に連絡後、近隣ホテルを手配してもらい、家族4人分の宿泊費が補償された。
例2:出張中の高速道路での事故
事故で車が大破し、その日のうちに修理不可能。
保険会社のロードサービス窓口に連絡し、自分でビジネスホテルを予約。
領収書を提出して後日、1泊分(上限15,000円まで)精算された。
【注意点】
- 宿泊費サポートを利用する際は、必ず保険会社のロードサービス窓口に連絡すること。
- 宿泊先や領収書の情報(宿泊日・金額・宿泊者名)は正確に記録しておく。
- 補償金額の上限・泊数・手配方法は保険会社や契約内容によって異なるため、加入時に確認しておくことが重要です。
帰宅費サポート
自動車保険のロードサービスに含まれる「帰宅費サポート」は、事故や故障によって車が自走できなくなり、修理がその日のうちに完了しない場合に、自宅へ帰るための交通費を補償するサービスです。
旅行中や遠方での運転中にトラブルが発生した際、車を現地に残して帰宅せざるを得ないことがあります。
そのような状況での経済的負担を軽減するのが「帰宅費サポート」の目的です。
帰宅費サポートの目的
車のトラブルが起きた際に、
- 車が自力で走行できない(自走不能)
- 修理が当日中に完了しない
- 車を修理工場に預け、現地に残る理由がない
このような状況で、ドライバーや同乗者が自宅に戻るための交通費を補償するのが帰宅費サポートです。
「帰宅のための交通手段の確保」や「費用の負担軽減」を目的としており、長距離運転時や旅行中のトラブルに特に有効です。
補償の対象者
- 保険契約車両の運転者(記名被保険者)
- 同乗者(家族・友人など、人数制限は保険会社による)
契約車両に同乗していた全員が対象となるため、複数人での移動時にも安心して利用できます。
補償の対象となる条件
帰宅費サポートが適用されるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 車が「自走不能」であること(修理が必要で走行不可の状態)
- 当日中に修理が完了しないと判断された場合
- 車を修理工場などに預けて帰宅すること
- 保険会社のロードサービス窓口に事前連絡を行っていること
軽度のトラブル(タイヤ交換・ガス欠・軽いバッテリー上がりなど)では対象外になる場合が多い点に注意が必要です。
補償の範囲
帰宅費サポートでは、次のような交通手段の費用を補償してくれます。
対象となる交通手段
- 電車(新幹線・特急を含む)
- バス(高速バス含む)
- 飛行機
- タクシー(最寄駅や空港までの移動を含む)
保険会社によっては、レンタカーの利用を帰宅費として認めている場合もあります。
補償金額の目安
- 1名あたり上限 20,000円〜50,000円程度
- 同乗者全員分を補償
- 実費精算または上限金額までの実費支払い
交通機関の領収書を提出することで、後日精算となるのが一般的です。
手続きの流れ
帰宅費サポートを利用する場合、以下の手順で進めます。
- 事故・故障発生時に保険会社へ連絡
→ 状況を説明し、ロードサービスおよび帰宅サポートの案内を受ける。 - 修理工場の決定・搬送手配
→ レッカーサービスにより車を工場へ搬送。 - 帰宅方法の選択
→ 電車・飛行機・バスなどを利用して帰宅する。 - 領収書を保管・提出
→ 帰宅後、交通費の領収書を保険会社に提出して精算。
保険会社によっては、交通手段の手配自体を代行してくれる場合もあります。
例1:旅行中のエンジントラブル
家族で地方に旅行中、エンジン故障により車が走行不能。修理に数日かかるため車を現地に預け、保険会社の指示で新幹線で帰宅。家族4人分の新幹線代が補償された。
例2:出張中の事故
出張先で事故に遭い、車が大破。保険会社へ連絡し、翌日の仕事のため飛行機で帰宅。飛行機代と空港までのタクシー代が上限内で補償された。
【注意点】
帰宅費サポートを利用する際には、以下の点に注意してください。
- 必ず保険会社に事前連絡をすること。 事前連絡なしで交通費を手配すると、補償対象外になる場合がある。
- 領収書の提出が必要。 領収書がない場合、支払われないケースもある。
- 自宅までの交通費が対象。宿泊を伴う場合は「宿泊費サポート」と併用されることが多い。
- 走行可能な状態で自己判断で帰宅した場合は対象外。
- 保険会社によって上限金額や支払方法が異なるため、事前に確認が必要。
保険会社別の比較(参考)
| 保険会社 | 補償上限額 | 対応交通手段 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 東京海上日動 | 1名20,000円まで | 電車・飛行機・タクシー等 | 宿泊との併用可 |
| 三井住友海上 | 1名20,000円まで | 公共交通機関全般 | 全国手配サービスあり |
| ソニー損保 | 1名20,000円まで | 電車・飛行機等 | 実費精算対応 |
| チューリッヒ | 1名50,000円まで | 公共交通機関・タクシー | 上限額が高めで柔軟な対応 |
【帰宅費サポートを活かすために】
帰宅費サポートは、「車を動かせない=その場で立ち往生」という状況から、スムーズに帰宅できるよう支援してくれる重要な補償です。
利用時には、必ず保険会社に事前連絡を行い、交通費の領収書を保管しておくことがポイントです。
長距離ドライブや家族旅行が多い方は、契約している保険にこのサポートが含まれているか、上限金額はいくらかを事前に確認しておくと安心です。
代車・レンタカー・公共交通の手配
自動車保険のロードサービスにおける「代車・レンタカー・公共交通の手配」とは、事故や故障などで車が使用できなくなった際に、修理期間中の移動手段を確保するためのサポートです。
宿泊・帰宅サポートと並んで、ドライバーの「移動の継続」を支援する重要なサービスです。
サポートの目的
事故や故障で車が走行できなくなった場合でも、
- 仕事や予定の都合で移動を続ける必要がある
- 自宅へ帰るための代替手段が必要
- 公共交通機関が少ない地域でのトラブル
こうした状況に対応するため、保険会社が代車やレンタカー、または公共交通機関の手配を代行・補償してくれます。
利用者が慌てて交通手段を探す手間を省けるため、特に旅行中や出張先でのトラブル時に大変便利です。
サポートの種類
代車・レンタカー・公共交通の手配は、大きく3つのタイプに分かれます。
1. 代車(無料代車)サービス
保険会社または提携修理工場が、修理期間中に無料で代車を貸し出すサービスです。
- 対象:自走不能の事故・故障で修理が必要な場合
- 利用期間:修理完了まで(最長15日程度が一般的)
- 車種:軽自動車やコンパクトカーなどが多い
- 費用:無料または一部自己負担(ガソリン代など)
修理工場によっては、保険会社のロードサービスとは別に独自で代車を用意している場合もあります。
2. レンタカー費用補償
代車の貸し出しができない場合や、長距離移動が必要な場合に、レンタカー費用を補償するサービスです。
- 対象:代車の手配が難しい場合、または契約にレンタカー補償が含まれている場合
- 補償範囲:レンタカーの基本料金(ガソリン代・オプション費用は自己負担)
- 補償金額の目安:1日あたり上限1万円前後、期間は最長15日程度
- 手配方法:保険会社がレンタカー会社に直接手配、または利用者が手配して領収書を提出
この補償は、「レンタカー費用特約」として別途契約している場合もあります。
3. 公共交通機関の手配
代車やレンタカーの利用が難しい場合、公共交通機関(電車・飛行機・バスなど)のチケット手配を保険会社が行ってくれることがあります。
- 対象:修理が数日かかり、車を現地に預けて帰宅する場合
- 補償範囲:運賃(上限あり)、座席指定料金など
- 手配内容:保険会社が交通チケットを予約、または利用者が購入して領収書を提出
一部の保険会社では、宿泊・帰宅サポートと併せて交通機関の手配を一括で行うことも可能です。
【利用の流れ】
実際に代車・レンタカー・公共交通の手配を利用する際の一般的な流れは次の通りです。
- トラブル発生時に保険会社のロードサービス窓口へ連絡
→ 事故・故障の状況を説明 - レッカー搬送・修理工場の手配
→ 修理期間や状況を確認 - 移動手段の希望を伝える
→ 「代車」「レンタカー」「公共交通」など希望を伝える - 保険会社が最適な方法を案内・手配
→ 手配代行または利用者による自己手配(後日精算) - 領収書の提出(自己手配の場合)
→ 補償金額の範囲で清算される
補償金額・期間の目安
| 項目 | 内容 | 一般的な上限・期間 |
|---|---|---|
| 代車 | 修理工場または保険会社が貸出 | 修理完了まで(最大15日程度) |
| レンタカー | 費用を保険会社が負担 | 1日あたり上限1万円、最長15日程度 |
| 公共交通 | チケット手配または運賃精算 | 1名あたり上限2〜5万円程度 |
【注意点】
代車・レンタカー・公共交通の手配を利用する際には、次の点に注意してください。
- 事前に保険会社へ連絡し、承認を得ること。
無断で手配すると補償対象外となる場合があります。 - ガソリン代・高速料金・保険オプション費用は自己負担。
補償されるのはあくまで基本的なレンタル料金です。 - 車種の指定はできない場合が多い。
代車・レンタカーは空き状況により軽自動車やコンパクトカーになることがあります。 - 地域によっては手配が難しいこともある。
離島や山間部など、レンタカー会社や交通機関が少ない場所では、代車手配まで時間がかかる場合があります。
保険会社別の例(参考)
| 保険会社 | サービス内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 東京海上日動 | 代車貸出・レンタカー費用補償あり | 宿泊・帰宅との連携がスムーズ |
| 三井住友海上 | 代車貸出・公共交通チケット手配対応 | 出張時のサポートが充実 |
| ソニー損保 | レンタカー実費補償あり | 利用者が自由に手配可能 |
| チューリッヒ | レンタカー・公共交通のいずれも補償 | 上限額が高めで柔軟な対応 |
利用時の注意点
自動車保険のロードサービスに含まれる「宿泊・帰宅サポート」や「代車・レンタカー・公共交通の手配」は非常に便利なサービスですが、利用にはいくつかの重要な注意点があります。
これらを理解しておかないと、せっかくのサポートが「補償対象外」となってしまうこともあります。以下では、利用時に特に注意すべきポイントを詳しく解説します。
1. 事前連絡が必須
最も重要なのは、保険会社やロードサービス窓口への「事前連絡」です。
- トラブル発生時は、まずロードサービス窓口へ電話し、状況を説明します。
- 宿泊や帰宅、代車利用などを自己判断で手配した場合、後から申請しても補償されないケースが多くあります。
- 保険会社の承認を得たうえでサービスを利用することで、補償対象となります。
・その場でホテルを予約し宿泊 → 事前連絡なしの場合、宿泊費は自己負担になる可能性。
・勝手にレンタカーを借りた → 補償対象外になることが多い。
2. 「自走不能」であることが条件
宿泊・帰宅・代車などのサポートは、車が「自走不能(自力走行できない)」と判断された場合に限り適用されます。
- 事故や故障により安全に走行できない状態であることが必要。
- 軽微なトラブル(パンク・ガス欠・軽いバッテリー上がりなど)は対象外。
- 「修理は可能だが走行はできる」場合も補償が受けられないケースがあります。
「自走不能」の判断は保険会社やロードサービス担当者が行います。ドライバーの自己判断ではなく、現場で専門スタッフが確認します。
3. 領収書・証明書の提出が必要
後日、費用を精算する際には、宿泊・交通・レンタカーなどの領収書が必要です。
- 宿泊サポート:宿泊施設名・宿泊日・宿泊者名・金額が記載された領収書
- 帰宅サポート:電車・バス・飛行機などの運賃領収書(電子チケットでも可)
- レンタカー:基本料金が分かる領収書
注意:
- 領収書がない場合、補償金が支払われないことがあります。
- クレジットカードの利用明細だけでは認められないケースもあるため、必ず正式な領収書を発行してもらいましょう。
4. 上限金額を超えた分は自己負担
各保険会社では、補償額に上限が設定されています。
たとえば、宿泊費が「1名1泊15,000円まで」と定められている場合、それを超えた分は自己負担になります。
・1泊18,000円のホテルに宿泊した場合 → 15,000円までは補償、3,000円は自己負担。
・レンタカーを上級車種に変更した場合 → 基本料金のみ補償、差額は自己負担。
事前に上限金額を把握しておくと安心です。
5. サービス利用回数に制限がある
多くの保険会社では、ロードサービス利用回数に制限を設けています。
- 1年間に利用できる回数が「1回まで」または「数回まで」に制限されている場合がある。
- 短期間に複数回利用すると、2回目以降が有料になることも。
- ただし、宿泊・帰宅サポートの利用は「等級(ノンフリート等級)」には影響しません。
6. 地域・時間帯による制限
宿泊や交通の手配が難しい地域や時間帯もあります。
- 離島、山間部、深夜などでは、宿泊施設や交通機関の手配が困難な場合あり。
- 特に冬季や連休期間中は、満室・満席で希望どおりの手配ができないこともあります。
- このような場合でも、補償の上限内で後日清算できるケースが多いです。
【サポート対象外のケース】
以下のような場合は、宿泊・帰宅・代車いずれも補償対象外となる可能性があります。
- 事前連絡なしで手配した場合
- 自宅や職場の近くで発生し、帰宅可能と判断された場合
- 保険契約車両以外でのトラブル
- 運転者が飲酒運転などで事故を起こした場合(保険適用外)
- 故意または重大な過失による事故
【契約プランごとの違いに注意】
同じ保険会社でも、契約プラン(スタンダード/プレミアムなど)によって補償範囲が異なります。
- 「宿泊・帰宅サポートなし」の基本プランもある
- 高グレードのプランでは宿泊費上限やレンタカー補償が拡大
- 一部のダイレクト型保険(ネット契約)は自分で宿泊先を手配する形式が多い
加入前・更新時に、自分の契約内容を必ず確認しておきましょう。
9. 同乗者の扱いを確認
宿泊費や帰宅費の補償対象には「同乗者」も含まれますが、人数制限や関係性の制約がある場合があります。
- 多くの保険では「車に乗っていた人全員」が対象
- ただし、他車への便乗者やヒッチハイクなどの同乗者は対象外
- 保険契約によっては「家族のみ対象」と定められていることもある
10. 利用後の対応
サービス利用後は、書類の提出・領収書送付・補償申請書の記入などが必要です。
遅れると補償が受けられない場合があるため、利用後すぐに手続きするのが望ましいです。
主な保険会社のサポート内容比較
自動車保険に付帯するロードサービスは、事故や故障の際にドライバーを支援する重要なサポートです。
中でも「宿泊・帰宅サポート」や「代車・レンタカー・公共交通の手配」は、遠方でトラブルが起きたときに大きな安心をもたらします。
しかし、保険会社によって補償内容や上限金額、手配方法などが異なるため、加入前に比較して理解しておくことが大切です。ここでは、代表的な保険会社のサービス内容を分かりやすく整理します。
比較対象となる主な保険会社
- ソニー損保
- SBI損保
- チューリッヒ保険
- あいおいニッセイ同和損保
これらは、ロードサービスの充実度が高いと評価されている代表的な保険会社です。
各社の宿泊・帰宅サポート比較
| 保険会社 | 宿泊費サポート | 帰宅費サポート | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ソニー損保 | 1名1泊15,000円まで(同乗者含む) | 1名20,000円まで | 宿泊・交通の両方を全額補償に近い形でサポート。利用回数に制限がなく、柔軟な対応が可能。 |
| SBI損保 | 1名1泊15,000円まで | 交通費上限なし(実費精算) | 宿泊・帰宅・車両搬送までカバーする幅広い補償。ネット保険ながら補償範囲が広い。 |
| チューリッヒ保険 | 1名1泊10,000円まで | 実費精算(上限あり) | 当日帰宅困難時の宿泊費と交通費をセットで補償。ペット同伴や旅行中のトラブルにも対応可能。 |
| あいおいニッセイ同和損保 | 1名1泊15,000円まで | 1名20,000円まで | 宿泊・帰宅ともに標準的な上限設定。代理店型保険のため、サポート手配がスムーズ。 |
- すべての保険会社で、対象は「契約車両の運転者と同乗者全員」。
- 事前にロードサービスへの連絡が必要(自己判断での宿泊・帰宅は対象外)。
- 宿泊は原則1泊分までが補償される。
各社の代車・レンタカー・公共交通サポート比較
| 保険会社 | 代車・レンタカー | 公共交通機関の手配 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ソニー損保 | レンタカー24時間分の基本料金を全額補償 | 公共交通機関の交通費も実費補償 | レンタカー・交通機関いずれも手配可能。柔軟でバランスの取れたサポート内容。 |
| SBI損保 | レンタカー24時間分の費用を補償 | 帰宅・引取り搬送をサポート | 修理後の車両引取りもサポート対象。費用補償の範囲が広く実用的。 |
| チューリッヒ保険 | レンタカー24時間基本料金を補償 | 公共交通チケットの手配あり | レンタカーまたは公共交通を選択可能。旅行時のトラブルにも強い。 |
| あいおいニッセイ同和損保 | 代車貸出またはレンタカー費用補償(15日程度) | 交通機関のチケット手配も可能 | 長期修理にも対応しやすく、手厚いサービス体制が整っている。 |
- レンタカー補償は「基本料金のみ」対象で、ガソリン代や保険オプションは自己負担。
- 一部の保険会社では、地域・時間帯によって手配が難しい場合あり。
- 契約プランによってレンタカー利用期間が異なる。
各社の強みと特徴
ソニー損保
- 宿泊・帰宅・レンタカーすべてを高水準でカバー。
- 利用回数に制限がなく、旅行や出張の多い人に向いている。
SBI損保
- ネット契約型ながら、宿泊・帰宅・搬送の補償範囲が広い。
- 修理後の車両引取り費用もカバーされるのが特徴。
チューリッヒ保険
- 宿泊・交通費を実費で補償し、旅行先でのトラブルに強い。
- ペット同伴やキャンセル費用など、細かいニーズに対応。
あいおいニッセイ同和損保
- 代理店型ならではのきめ細かいサポートが魅力。
- 修理工場との連携がスムーズで、代車手配もスピーディ。
【契約時に確認しておくべきポイント】
- 宿泊・帰宅サポートの上限金額(1名あたりいくらまで補償か)
- 同乗者も対象になるか(人数制限の有無)
- レンタカー補償の範囲(期間・基本料金・車種指定など)
- 公共交通費の対象範囲(電車・新幹線・飛行機などどこまで含まれるか)
- 利用回数の制限(年間何回まで利用可能か)
- 事前連絡の必要性(無断手配は補償対象外になる場合が多い)